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zoom RSS 『七政算内篇』

<<   作成日時 : 2015/06/07 00:00   >>

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貞享暦の日行盈縮と定朔」で示唆した貞享暦の授時暦に対する改良点は、
 (1) 日行盈縮の精度
 (2) 定朔計算アルゴリズム
の向上の2点です。

このうち(1)に関しては、2015-05-26 『七政算外篇』の記事のとおり、渋川春海は
授時暦より精度の高い回々暦について知り得たはずだと分かりました。

(2)に関しては『七政算内篇』の記述が気になるところです。検索したところ
『七政算』の所蔵図書館が

 http://ci.nii.ac.jp/ncid/BN10287768

というように見つかったので先日の木曜日に中央大学で内容を確認してきました。

結論としては、『七政算内篇』の記述は、使いやすいように日の出の時刻の表を
追加する[1]など工夫はされてはいるものの、『元史』や『明史』の対応する記述と
質的に違うものではないようです。

なお『暦の大事典』p.248によれば、回々暦が授時暦・大統暦と併用された理由と
して、授時暦の日月食予報精度の悪さを指摘しています。月が暦元直前にその
軌道の降交点を通過した時刻が実際より1/3日遅いとのこと。

文明間の交流のマーカーとして出差に着目しましたが、単に「併用された理由」
という観点で議論するのであれば、降交点の精度の問題の方が重要です。

[1] 冬至の日の出時刻を万分法で3043.50としています。授時暦の黄道傾角を
  23.56度として 2012-08-13 の記事の公式を当てはめて計算すると、緯度
  は35.52度。これはソウルの緯度です。『高麗史』の授時暦では消長法を
  用いないと明記されているのに対して、『七政算内篇』にはその記述が見え
  ません。全体に「明朝とおなじ計算結果を出そう」という意図で編纂された
  ものではないようです。

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